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韓国人の言う「大気汚染は全部中国が悪い」について

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朝鮮日報より

近年韓国国内での大気汚染が問題となっています。写真はソウル市内を写したものなのですが、同じ昼間なのに数十メートル先の建物の輪郭がボヤケてしまう程です。実際にこの記事を書いている今日も大気汚染が深刻すぎるので、型式の古い車両が走行規制されたりなんかしてます。

ちょっと前までこんな事なかったのに、ここ数年この調子です。最近は日本でも福岡や北海道で大気汚染物資であるPM2.5の飛来が報じられるなどしていますが、この原因となっている国はどこなんでしょう?

韓国では「中国が悪い」という意見で一致しています。
その理由は中国側から吹く偏西風の影響を受け、黄砂が飛来してくるようにPM2.5も風に乗って渡ってくるからと言われています。
中国ではむしろ韓国で発生したPM2.5が黄海を渡って飛んできているという訳のわからない話が広まっているそうですが、地球の自転を考えてみてもおかしい話です、でたらめ。
今や世界最大の工業国となった中国が経済活動をする上で化学燃料や車からの排ガスは絶えず排出されますし、人口が多い分並々ならぬ量になるでしょう。
もちろん韓国でも汚染物質は排出されていますが、韓国の工業地域は南東部に集中しており、写真の通りソウルで大気汚染が観測されるのはもう中国が悪いとしか言いようがないのではないでしょうか。
加えてその地域の方がむしろ一番数値が低く表れています。

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真っ赤な半島

ちなみに韓国ではPM2.5(微小粒子状物質)のことを초미세먼지,PM10(粒子状物質,黄砂)のことを미세먼지と言います。毎日防塵マスクが手放せませんし、健康に悪影響を与えることが確認されているので一大事な訳ですね。

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愛用してる3M製のマスク ガチやろ?

しかし頭の良い人はお気づきかと思いますが、そもそも韓国国内の情報に信憑性があるのかという疑問が生じます。
韓国国内ではメディアがこぞって「中国が原因」であると報道し、学界や社会団体も口を合わせ「中国発のPM2.5が韓国に悪影響をもたらしている」としています。これによって「大気汚染=中国」という誤った認識が生まれたのではないでしょうか。

メディア・バイアスと政府の企みが顕著に表れますし、国民の健康問題に直面します。専門のサイトに表示される情報も衛生の実測データを元にして表示されますが、これらは過去の数十年の間に蓄積されたデータを元に算出されるものなので、近年の急速な変化に対応しきれているのかとなると微妙なところでもあります。ですが、これらによって被害を被るのは韓国国民と韓国経済であるため致し方ないとも言えるでしょう。あくまで産業発展を推進したい政府側としても企業側のマテリアルバランスの面からしても、国内緊急制限措置だけでは一時的な解決にしかならない訳ですから、それが国民感情として表れるのは当然だと考えられます。特にインターネット上ではネチズン達が一辺倒に中国を叩き、それに影響される人々が情報を拡散させています。

しかし、これらは必ずしも「絶対的な影響」にはなり得ないと言えるでしょう。大気汚染の規制と言うのは、産業化による後遺症のようなもので、かつての日本が経済成長を成し遂げた際に公害が発生した通り、避けては通れない道だと考えます。 

中国側も韓国側もこれらの問題の解決のため、様々な活路を模索している最中ですが、責任問題に転嫁されてしまえば元も子もありません。同じ環境問題として欧州の酸性雨、近年の温室効果ガスやオゾン層関連の問題が挙げられますが、これらは隣国のみならず地球環境そのものにも影響を与えるということを証明しました。地球的に考えて、国家間の協力という原則を遵守するなら、すぐに環境外交の難題を解決していくことこそが最も賢明な方法であるでしょう。

今回の場合、中国側の要因が多すぎて、韓国国内での規制が韓国側の不利益へと繋がってしまうこの構造を解決することが重要と言えます。つまり、中国向けの外交政策とは別に、大気汚染低減のための政策強化が要となります。
ちなみに文在寅大統領は2019年3月6日「黄海で人工降雨を発生させて海に落とそう」なんて言ってましたが、それってどうなんですかね...。流石大統領と言うべきか...。

まとめとなりますが、韓国人の言う「大気汚染は全部中国が悪い」は「悪かったとしても国内排出低減」にも専念せねばならないと言えます。認識の改善にはまだまだ時間がかかりそうです。